小川環樹「唐詩概説」第1章
詩経:歌謡・・・民族共同の感情を歌うもの
→楚辞:独白体の詩・・・特定の個人の心のなかの苦悶
・こちらの方のブログが参考になる。
→楚辞の形式は漢代に入って賦と呼ばれる形式に。
・韻文でありながらもいささか散文に近い性質
・・・後漢の末、五言の形が歌謡から詩に取り入れられて狭義の詩の形式に。
五言詩の初期:曹植
二つの態度を同時に取り入れる。
・民歌の叙情性 多くの詩人に継承 →技巧的に発展 cf 対句、音調、謝朓、謝霊運
これは謝朓の対句である。
魚戯 新荷動
鳥散 余花落
このように対句形式が見られるが、音声的にも小休止の二字目と三字目の間に加えて、二四不同や聯の反法も定着するのである。
南朝は音階の調和や繊細な感情と心情を歌うことが多くなる。
(日本でいうところの新古今和歌集的なマンネリズム化か)
これを宮体という。
北朝も南朝のこの気風に侵されたが、一方で、北朝には遊牧民由来の豪快な気風もわずかでも存することを忘れてはならない。
勅勒の歌は良い例である。
勅勒川
陰山下
天似穹廬
籠蓋四野
天蒼蒼
野茫茫
風吹草低見牛羊
やがて隋が統一のもとで唐詩の萌芽が生まれることになる。